アジーはなぜ先発医薬品のジスロマックより安いのか

2019年09月30日
薬を持っている男性

病院でクラミジアと診断されると、マクライド系の抗生物質であるアジスロマイシンを有効成分とするジスロマックが処方されます。ジスロマックを使用すれば1回の服薬で完治させることができ、500mg錠であれば2錠を飲むだけで済みます。ジスロマックは先発医薬品なので値段が高く、病院で処方してもらう場合には2~3千円の薬代を支払わなければなりません。健康保険が適用される場合でも薬代として3千円を支払うので、実際は1万円の費用がかかっていることになります。

日本国内の医療機関ではアジスロマイシン錠として先発医薬品のジスロマックが処方されていますが、海外ではジェネリック医薬品のアジー(Azee)という薬も使用されています。アジーの錠剤には、ジスロマックと同じ有効成分(アジスロマイシン水和物)が1錠あたり250mgまたは1000mg含まれていて効果は同じです。アジーの販売価格は1箱(1000mg錠10個入り)が4千円前後で、1回あたりに換算すると400円程度です。全額自己負担で薬を購入する場合でも、病院で処方してもらうよりも安い費用で済みます。ジェネリック医薬品を利用すれば、効果は劣らないのに格安の費用で治療ができます。

アジーはジスロマックと比べて効果が劣らないのに値段が安い理由は、後発医薬品なので販売価格に特許料が上乗せされていないことが関係しています。一般的に製薬メーカーは、10~20年もの長い期間と莫大な研究費をかけて新薬を開発します。新薬を開発して製品化に成功したら、薬の値段に開発費が上乗せされて販売されます。特許を取得することで、他社が同じ成分の医薬品を製造・販売する際にライセンス料を徴収して開発費を回収する場合もあります。特許期間は20年間にわたり続くので、この間は特許料が上乗せされて高い値段で販売されます。

特許期間が過ぎれば、同じ有効成分を含む医薬品を製造・販売してもライセンス料を支払う必要がなくなります。このような場合は既に有効成分の効果や製法が分かっているので、他社が短期間かつ少ない開発費で同等の医薬品を開発して製造・販売をすることが可能になります。アジーなどのジェネリック医薬品は先発医薬品のジスロマックの特許が切れた後に少ない費用で開発されていることから、効果が同じであっても安い値段で販売されます。

ちなみに先発薬を開発したメーカーは特許期限が切れる頃に少しだけ改良を施し、新たな特許を取得して新薬として製造・販売をする場合があります。このようなケースだと高い価格が設定されて販売されますが、以前の薬の成分と比較して効果・効能はほとんど同じです。

ほとんどの場合はジスロマックやアジーなどのアジスロマイシンだけでクラミジアを完治させることができますが、完治に失敗する場合もあります。アジスロマイシンで完治させることができなかった場合には、ニューキノロン系の抗菌薬のクラビットを服用して治療します。クラビットを用いる場合は、14日間にわたり有効成分500mg分を1日1回服用します。クラビット500mg錠の薬価は381.6円なので、病院で14日分を処方してもらうと1600円ほどの負担となります。

クラビットについても値段の安いジェネリック医薬品が開発されていて、先発医薬品と比べて大幅に安い値段で販売されています。クラビットのジェネリック医薬品は国内で薬事承認されている製品もあるので、調剤薬局で処方してもらう際に安い薬を選択することができる場合があります。

アジーなどのジェネリック医薬品は開発費が少ないので、先発医薬品のジスロマックと比べて大幅に安い値段で入手することができます。値段が安くても薬の効果や安全性に問題はないので、安心して服用することができます。