トリコモナスは膣錠よりも飲み薬の方が効果的?!

2019年12月30日

女性がクラミジアなどの性感染症を発症すると、膣炎が起こって他の病原体に対する抵抗力が弱まってしまいます。抵抗力が弱まってしまうことで、他の性病を併発してしまうケースが多くなります。トリコモナス膣炎は、クラミジアと同じように女性がかかりやすい性病のひとつです。細菌やウイルスではなく、肉眼では見えないトリコモナス原虫と呼ばれる非常に小さな寄生虫が男女の性器に寄生して起こる病気です。

トリコモナス原虫の感染経路は主に性行為で、潜伏期間は1~3週間と長めです。性交によってこの寄生虫が女性の膣に感染すると、緑または黄色で泡状のおりものが大量に出たり、陰部の疼痛・性交痛・排尿障害などの症状が出る場合があります。おりものや排尿障害などの症状が出ないケースもあり、無症状の場合は気がつかない間に感染を広めてしまう恐れがあります。

トリコモナスの治療方法は男女で違い、男性は飲み薬を服用します。女性の場合は、飲み薬と膣錠(坐薬)を使用して治療をする必要があります。飲み薬は、メトロニダゾールを有効成分とするフラジール内服薬250mgが使用されます。内服薬は錠剤タイプで、1回1錠(250mg錠)を1日あたり2回に分けて飲みます。通常は、1クール(10日間)にわたり毎日内服薬を飲み続けて治療をします。

膣錠(坐薬)はフラジール膣錠250mgが使用され、この薬も飲み薬と同じようにメトロニダゾールを有効成分としています。坐薬は患部に直接作用して副作用が出にくいのですが、限られた範囲にしか効果を発揮しません。坐薬は女性用のみで、男性は飲み薬だけで治療をします。

フラジール内服薬の主な副作用として、発疹・食欲不振・吐き気・胃不快感・暗赤色尿などがあります。発生頻度は非常に低いのですが、手足のしびれや麻痺(末梢神経障害)・意識障害や幻覚(中枢神経障害)・発熱や頭痛などの副作用も報告されています。

トリコモナスの治療薬はフラジール内服薬(飲み薬)が第一選択薬で、非常に高い効果があります。臨床試験で判明した治療後の原虫再出現率ですが、飲み薬は14.1%で膣錠のほうは29.3%という結果が報告されています。膣錠だけだとトリコモナス原虫を完全に死滅させることができない場合があるので、飲み薬が必須です。ただし飲み薬だけで治療をしたグループでも1割以上の割合で再出現していることから、確実に治療をするためには飲み薬と膣剤を併用すべきです。

トリコモナス原虫は、治療後も再感染する恐れがあります。このため、必ずパートナーと一緒に治療をする必要があります。寄生虫は男女間のみで感染し、男性同士では感染をすることがありません。

日本国内ではフラジール内服薬・膣錠ともに医療用医薬品に指定されているので、医療機関で医師の診察を受けて処方箋を出してもらわなければ購入ができません。医薬品の個人輸入を代行するネット通販サイトを利用して薬を入手すれば、自分で治療をすることができます。この場合でも、再発を防ぐために飲み薬と膣錠の両方を併用するようにしましょう。パートナーの男性も飲み薬を服用して、一緒に治療をすることも大切です。

フラジール内服薬はトリコモナスに対して非常に高い効果を発揮しますが、他の細菌や虫の感染症の治療にも使用されます。フラジールには、嫌気性菌感染症・感染性腸炎・細菌性腟症・ヘリコバクターピロリ感染症・アメーバ赤痢・ランブル鞭毛虫感染症などにも効果があります。女性がトリコモナス膣炎を発症している場合には、他の細菌にも感染している可能性があります。フラジールを服用すれば、他の種類の病原菌が二次感染するのを防ぐことができます。